院長ブログ一覧

米国の診療予約待ち日数

米国医療状況:予約待ち日数のお話です。

米国のメリットホーキンス医療リクルート会社による調査です。15メトロポリタン地域で予約待ち日数を調べました(2013/6/1-11/5)。オンライン電話帳からランダムに診療施設を選択し、5つの専門領域(循環器科、皮膚科、産婦人科、整形外科、家庭医)で、 1地域1専門領域あたり少なくとも10ヶ所の診療施設(目標は20ヶ所)に 非救急の診察依頼を行いました。全1399診療施設を調査しています。

平均予約待ち日数は、

最も長いのが、ボストンで45.4日
最も短いのが、ダラスで10.2日 (平均18.5日)


専門領域別にみると

循環器科が、16.8(11-32)日
皮膚科が、28.8(16-72)日
産婦人科が、17.3(10-46)日
整形外科が、9.9(5-18)日
家庭医が、18.5(5-66)日


日本の医療状況からみると待ち日数は長いように感じますが、いかがでしょうか。


平成26年3月27日

WHOが糖類制限の新しいガイドラインを作成中です

WHO(世界保健機構)が糖類制限の新しいガイドラインを作成中です。「糖類」とはブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖などのことです。制限されるのは、食品や飲料水に添加される糖類(単糖類と2糖類)です。果物や牛乳にもともと含まれる糖類は外れますが、果物を加工したジュース類は含まれます。蜂蜜、シロップも含まれます。

これまでのガイドラインでは摂取カロリーの10%が許容量でした。今回、これを5%にすることを提案しています。2000kcalなら100kcal、25gまでになります。清涼飲料水を1本飲むと許容量を超えてしまいます。

なかなか厳しいガイドラインです。


平成26年3月13日

糖尿病とインフルエンザ

糖尿病があると、インフルエンザは重症化しやすいことが知られています。そのため新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザA)がはやって、ワクチンが不足している時、糖尿病の人の優先順位は高く設定されました。覚えておられるでしょうか。

糖尿病があるとインフルエンザ予防注射は是非受けて欲しいのですが、高齢者はともかく、現役年齢の人の予防接種率は高くありません。補助がないのと、忙しいからでしょうか。それとも「自分は大丈夫」と自信をもっているからでしょうか。

現役年齢の糖尿病患者」でインフルエンザの影響を検討した報告がでましたので、紹介します(Diabetologia2014)。この報告はカナダで行われた症例対照研究です。労働年齢の糖尿病患者1人に対して年齢、性、居住区をマッチさせた対照2人を選び、2000年7月から2008年6月まで観察しています。


対象地区(マントバ)の労働年齢の糖尿病患者は全部で60,118人です。ここから58,577人を選んで対照をマッチさせ、データが揃っている56,513人と対照者110,202人を比べました。中央年齢は50-51歳、女性は48-49%です。インフルエンザワクチンを受けている人は糖尿病者で16%、対照7%です。

結果ですが、インフルエンザにかかる率は変わらないようです。しかしインフルエンザに関連した入院は糖尿病がある人で6%増えていました


今からでは来季以降になりますが、糖尿病のある人はぜひともインフルエンザの予防接種をお勧めします。


平成26年3月7日

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