院長ログ

ファーストフードのトランス脂肪酸(規制前)

今回は、マクドナルドとケンタッキーフライドチキン(KFC)トランス脂肪酸量についてです。
2004-2005年に実際にお店で買った食品を測定して、国別に評価しています(NEJM2006)。
この時点ではトランス脂肪酸を規制している国はごく少数で、規制前の値です(注:我が国では現時点でトランス脂肪酸を規制していません)。

同じチェーン店でも、トランス脂肪酸の含量は国によってまったく異なります。たとえばフレンチフライ171gチキン160gを食べたとします。そうすると、デンマークやドイツでは1g未満、ニューヨークでは10g(以上、マクドナルド)、ハンガリーでは24g(KFC)のトランス脂肪酸を摂ったことになります。

マクドナルドでフレンチフライに使われる調理油のトランス脂肪酸含量は、米国店、ペルー店で23%、24%と多く、多くのヨーロッパ諸国では10%程度。スペインでは5%、デンマークでは1%と少な目です。

KFCでは30%を超える油をフレンチフライに使用している店もあります。ハンガリー、ポーランド、ペルーでは35%、42%、31%もトランス脂肪酸を含んでいます。デンマーク、ドイツのウィスバーデンで少なく、2%、1%です(同じ国内でも異なり、ドイツのハンブルグでは7%と多めです)。

この論文では、我が国の値が測定されていないのが残念です。


平成25年4月24日 


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