院長ログ

脳科学からみた果糖の満足感

昨年に人工甘味料の話題を紹介しました。人工甘味料飲料はカロリーがないのに、摂りすぎると肥満やメタボになるリスクが高くなります。脳内報酬系の反応をみますと、(1) 人工甘味料は舌で甘く感じます。(2) 身体はカロリーが入ってくると期待しますが、実際は入ってきません。(3) そのため、身体は騙された状態になっています。「甘み」に伴う報酬が得られず、「渇望」も実は満たされていません。(4) そのため報酬を求めて食欲が亢進するというのです。

最近、果糖においても同様のことが起こっていると報告されました(JAMA2013)。


この報告では20人の正常体重の健常人を対象にfMRIを用いて脳血流を見ています。結果は、ブドウ糖と比べて、果糖は食欲を満足させる脳領域への影響がほとんどありません。そのため、新たな食物を探しに行く行動を引き起こすと結論付けています。


果糖は果物以外では砂糖果糖ブドウ糖液糖から多く摂取されています。砂糖はブドウ糖1分子と果糖1分子が結合した糖です(50%が果糖)。果糖ぶどう糖液糖は聞きなれない糖かもしれませんが、加工食品によく使われています。


果糖ぶどう糖液糖は、デンプンを分解してブドウ糖をつくり、そのブドウ糖の一部を酵素で果糖に変えて甘みを強めた甘味料です。果糖ブドウ糖液糖は、果糖含有率が 50% 以上 90% 未満のものを指します。砂糖に代わって大量に使われるようになったのは1970年代からです。


甘味料は年とともに摂取量が増加しています。果糖摂取の増加が、肥満増加の一因になっている可能性があります。


平成25年2月22日
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