明かりを消して寝ましょう
部屋を明るくして寝るのは身体に良くないと言われます。
心臓・代謝系への影響を調べた研究が報告されましたので、紹介します(PNAS 2022)。
夜の玄関程度の明るさ(100ルクス:40W白熱電球で直下距離が約80cmの明るさ)を3ルクス未満の明るさの場合と比べています。
対象は20人の若い人です。2泊してもらい、翌朝にブドウ糖負荷試験を行いました。脳波検査、心拍分析、メラトニン(睡眠に関連するホルモン)濃度も調べています。
明るい部屋で寝ると、ブドウ糖負荷試験0-30分のインスリン面積が増加し、インスリン抵抗性が増加しました(HOMA-R指数で15%増加)。メラトニン濃度は変わりませんでした。N2ステージの浅い睡眠が多くなり、深い睡眠の徐波睡眠とレム睡眠の時間が減りました。心拍数が多くなり、心拍変動が低下していました(交感神経が緊張していることを示します)。交感神経・副交感神経のバランスはインスリン面積と関連していました。
一晩でも、明るい部屋は心臓・代謝系に影響するようです。寝る時は明かりを消して寝ましょう。
令和4年6月22日
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