運動の効果はこんなところにも
身体活動と新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの論文が出ました(Br J Sports Med 2021)。
この論文では、入院率、集中治療室(ICU)への入室率、死亡率を、年齢、人種、基礎疾患の有無だけでなく、運動習慣別に比較しています。
2018年3月〜2020年3月に少なくとも3回の運動資料があり、2020年1月〜2021年10月に新型コロナウイルスに罹患したKPSCヘルスプラン加入者48,440人が対象です。運動量は自己申告です。0-10分/週(不活動)、11-149分/週(少し活動)、150分以上(活動)に分けています。
多変量で補正した後の成績です。活動する人に比べて不活動の人の入院率は2.26倍、ICU入室率は1.73倍、死亡が2.49倍でした。
少し活動する人と比べても、入院率1.20倍、ICU入室率1.10倍、ICU入室率1.32倍です。
基礎疾患がある方は運動量も低くなりやすいのでバイアス(統計学の偏り)がかかりそうです。しかし基礎疾患有無で補正していますし、運動しないリスクが基礎疾患によるリスクより高く出ていて、運動の影響は実際にありそうです。
人の少ない場所の散歩はコロナ感染のリスクが小さいです。ぜひ運動を続けましょう。
令和3年4月17日
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