院長ログ

とかく鶏卵の評価は難しい:コレステロール以外

鶏卵には良質の蛋白、ビタミン類、脂肪酸、コリン、抗酸化物質、微量金属が含まれています。コレステロールだけではありません。これらの栄養素はどう評価したら良いでしょうか。昔から鶏卵は栄養バランスが崩れている人には良い食品とされてきました。鶏卵を摂取する人の栄養状態によって鶏卵の効果が違ってくるかもしれません。

鶏卵に含まれる栄養素は餌の影響を大きく受けます。たとえば飽和脂肪酸の多い餌で飽和脂肪酸が多くなり、不飽和脂肪酸の多い餌で不飽和脂肪酸が多くなります(Vet Res Forum 2015)。餌にこだわった高級鶏卵を見かけますが、通常の鶏卵と比べてどれだけ身体への影響が違うのか悩みます。

魚卵は鶏卵と同様にコレステロールが多いのですが、魚卵と動脈硬化リスクを検討した論文は探しても見つかりません。魚卵はω3-不飽和脂肪酸が多く、もしこちらの影響が強いなら、魚卵は抗動脈硬化作用の食品かもしれません。興味があるのですが、残念ながら研究がありません。

米国人のための食事ガイドライン2015-2000では「鶏卵はコレステロールが多いが飽和脂肪酸が少ない、だから食べて良い」とコレステロール以外の栄養素で鶏卵の影響を説明しています。影響する栄養素は飽和脂肪酸だけでないのですが、まあ悪玉の代表ですね。

鶏卵以外の食品の影響もありそうです。鶏卵を止めると、別の食材で穴埋めをします。もし超加工食品など身体に悪い食材が増えるなら、却って良くないかもしれません。また鶏卵を食べる場合でも、何を一緒に食べるかが大切です。たとえばベーコンエッグが好きな人は、鶏卵でなくベーコンが悪さをする可能性が高いです。


令和元年9月18日

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