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糖尿病の歴史32 糖尿病では 膵島に異常 (2)

レオニード ヴァシリーヴィッチ ソボレフ(ロシア:1876-1919)は条件反射の発見で有名なパブロフの弟子です。彼はオピーとは独立に、膵島と糖尿病の関連を発見しました(1901:膵管結紮時の膵の形態学的変化について。糖尿病や他疾患において)。これは彼の学位論文です。

膵管を結紮すると外分泌腺が萎縮しますが、膵島は生き残ります。彼はこの実験をウサギ、イヌ、ネコ、雄牛、子牛、羊、豚、鳥などさまざまな動物種で行いました(パブロフもウサギ3羽、実験に協力しています)。子牛の膵臓は外分泌が未発達であり、膵島が大きく、X因子(膵島から分泌されるホルモン:インスリンのことです)の抽出研究に適していることを見つけます。膵移植実験や人の解剖も行いました。

彼は「糖尿病を患っていない場合、膵島は正常である。すなわち、いろんな有害な影響を受けても、膵の消化腺部位よりかなり丈夫な部分である」、「15人の糖尿病患者の検討では、膵島は非常にもろい臓器である」ことを見つけます。

残念ながら彼の研究はこれ以上進みませんでした。多発性硬化症の影響、無理解な上司 (糖尿病は神経系の病気であるという考えで凝り固まっていた)、血糖検査に20ml必要という当時の実験技術などがその理由とされています。

注:糖尿病が神経系の病気である、という考えはクロード ベルナールの考えです。クロード ベルナールは神経系が病的に肝臓に作用し、肝臓が糖を血中に過剰放出することが糖尿病の原因と考えました (糖尿病の歴史27)


平成27年12月21日
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