院長ログ

糖尿病の歴史31 糖尿病では 膵島に異常 (1)

メーリングとミンコフスキーによって膵臓と糖尿病の関連が明らかになりました。次はランゲルハンス膵島(インスリン分泌組織)と糖尿病の関連が明らかにされます。この関連はオピーソボレフが別々に発見しました。オピーから紹介します。

ユージン リンジー オピー(1873-1971)は米国の内科医・病理学者です。ジョン ホプキンス医学学校の最初の卒業生(1897卒)で、在学中に膵島異常と糖尿病の関連に気付きました。この発見はその後10余年にわたり、彼の主要研究テーマになりました。1901年にオピーは「慢性間質性膵炎の膵島および糖尿病に対する関係について」と題する論文を発表します(J Exp Med)。


膵臓の障害で糖尿病が起こるなら、その病変は膵臓のどこに起こったものでしょうか?。 膵腺房?、膵島?、それとも両者でしょうか?。 私は糖尿病患者11人の膵臓を顕微鏡的に観察しました。そうして「膵島と糖尿病の関連」を疑いようもないほど強い膵島変性を4人に認めました。第17症例では進行したヒアリン変性があり、ランゲルハンス膵島を膵腺房間にある臓器として認識できないくらい一様に変性していました。


オピーは細くて弱い体質の人でしたが、彼をいろいろなスポーツに引っ張り出していた同級生(結核専門医ブラウン)の方が早死にして、蒲柳の質と寿命は関連がないとも書いています。彼は生涯研究にいそしみ、最終論文は1970年発表です(97歳で筆頭著者)。亡くなる直前は目が見えず難聴もひどかったようですが、訪問者と討論を楽しんでいたそうです。


平成27年12月18日
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