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フルーツジュースと全死亡

甘味料添加飲料(いわゆるソーダ、コーラ類)が身体に良くないことはよく知られていますが、フルーツジュースでも摂り過ぎると全死亡が増えるようです(JAMA 2019)。

対象は45歳以上の米国人で、REGARDS研究のコホートです(コホートというのは研究対象になった集団のことを言います)。全部で30,183人、その中から心血管疾患、脳卒中、糖尿病の人を除き、さらに食事データがない人を除いた13,440人のデータを解析しています。

平均観察期間は6.0年です。観察している間に1,000人の人が亡くなっています。この研究では飲み物の量を「飲料に含まれる糖質カロリーが総摂取カロリーに占める割合:TE」で見ています。集団全体のTEは8.4%(甘味料添加飲料4.4%、ジュース4.0%)でした。8.4%というと、1日2400kcalを摂取している人なら1日コーラ450mlくらいでしょうか。

総カロリーに占める飲料中の糖質カロリー比(TE)が10%以上の人の場合、5%未満の人と比べると、心疾患死リスクは2.21、全死亡リスクは1.31と高値でした。人種、年齢、性別、学歴、喫煙、アルコール、BMI(肥満指数)、身体活動度、食生活で補正していくとリスクは漸次低下し、全部を補正すると心疾患死リスク1.44、全死亡リスク1.14でした。

気になるフルーツジュースですが、フルーツジュースの摂取が12オンス(360ml)増えるごとに全死亡が24%増えるそうです(全甘味飲料でみると11%増加)。

フルーツジュースはヘルシーというイメージがありますが、必ずしもそうでないようです。糖尿病の方にはお勧めしませんし、糖尿病がなくても控えめにするのがよいでしょう。


令和元年5月27日

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