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日本では脳梗塞は多いのか

日本では脳卒中の頻度が欧米に比べて多いと言われてきました。もともと脳出血が多かったのですが、今では脳梗塞が大半を占めます(脳出血:血管が破れて脳内に出血する、脳梗塞:血管が詰まる疾患です)。

脳卒中の死亡率は世界的にみて、この20年で格段に減少しています。最近の脳卒中発生率を国別に比較すると、日本は脳出血、脳梗塞とも中等度の発生率のようです(Lancet2013)。この論文から、脳卒中の大半を占める脳梗塞の成績を紹介します。この論文は119編の研究から国別の疫学データを推計しています。


脳梗塞の発生率と死亡率(2010年・年齢調整して10万人当たり)は、日本はそれぞれ(128.65、24.63)です。米国は(143.11、19.06)で、日本とほぼ同じです。


ヨーロッパ諸国と比べてみますと日本はイタリア(71.17、28.40)、イギリス(85.22、24.15)、フランス(83.56、12.98)より高いですが、ドイツ(141.66、21.11)やデンマーク(121.39、24.02)と同等、ポーランド(173.18、51.06)やスロバキア(216.15、62.38)より低いです。最悪の国はリトアニアで、(433.97、65.69)です。

アジアですが、中国は(240.58、46.71)で、インドが(143.45、38.83)です。


論文では「年齢調整後の脳卒中発症率は減っているが、脳卒中の絶対数は増えており、低〜中等度収入の国で脳卒中が重荷になっている」と言っています。日本は高収入の国で、欧米と同等なくらいまで脳梗塞を減らしてきましたしっかり治療すれば、脳梗塞は減らせます!


平成26年4月23日

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