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医学論文の「最近」はいつ頃?

日常生活でもそうですが、医学論文でも「最近:rencent」という言葉がよく使われます。「最近の研究では、、」とか「最近発見され、、」です。医学論文で使われる「最近」という時間はいつ頃を指すのでしょうか。「最近」であらわされる時間に言及した論文が出ましたので、紹介します(BMJ 2025)。

20ほどの「最近」を含む表現でPubMedを検索し、1000編の英語論文を抽出しました。論文の選び方はつっこみどころがあるかもしれませんが、目をつぶります。

「最近」がいつ頃からを指し示すかですが、平均は5.53年、中央値は4年(25-75%は2-7年)でした。一番多いのは1年です。しかし37年前のことを「最近」と表現していた論文もあり、「最近」が示す時間幅は結構大きいようです。表現別にみますと、「最近の研究」、「最近の手法」、「最近の発見」は古いことが多く、「最近の出版」、「最近の雑誌」は新しいことが多い。分野によっても違いがあり、腎臓学、獣医学、歯科の分野の「最近」は古く、救命救急、感染症、遺伝学、免疫学、放射線の分野では新しい。引用回数の多い雑誌に掲載された論文(つまり一流雑誌の論文)にはより新しい論文が引用されていて、これは何となく分かりますね。

研修医の頃、図書館で調べもの(最近の治療法)をするときは5年以内のものを調べなさい、古い文献はいらないと言われたのを思い出します。今はUpToDateという教科書を使っていますが、数か月単位で更新されています(緊急性の高い場合は数週間程度)。


令和8年3月4日


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