食べるなら”ダーク”チョコレート
チョコレートには抗酸化物質のフラボノイドが多く含まれています。フラボノイドは心血管系に良い効果があり、糖尿病を減らす報告があります。しかしチョコレートと2型糖尿病発症の関連ははっきりしていませんでした。もしかすると、いろんな種類のチョコレートをまとめて検討したため、結果が出なかったのかもしれません。今回チョコレートの種類をわけて検討した成績が発表されましたので、紹介します(BMJ 2024)。
研究対象集団(コホート)は看護師研究のコホート2つ、および男性医療従事者研究のコホート1つ、計3つです。この3つは疫学研究ではとても有名な米国のコホートです。はじめに糖尿病、心血管疾患、悪性疾患がある方を除いています。192,208人が参加し、うち111,654人のデータを解析しました。チョコレート全体をまとめた検討は1986年、1991年以降のデータを使っています。チョコレートの種類別検討は2006年、2007年以降のデータを使った検討になります。
4,829,175人・年観察中に、18,862人が2型糖尿病を発症しました。個人因子、ライフスタイル、食事リスク因子を補正しました。チョコレートの種類を問わない解析では、週に5サービング以上摂る人はほとんど摂らない人に比べて、10%ほど糖尿病の発症が少なくなっていました。なお1サービングはチョコレートバー1本/1パック、あるいは1オンス(28g)です。
次にチョコレートの種類別に検討しました。ダークチョコレートでは週に5サービング以上摂る人の糖尿病発症が21%少なくなっていましたが、ミルクチョコレートでは少なくなっていませんでした。ミルクチョコレートは砂糖が多くカカオ成分が少なくなります。これまでチョコレート研究の結果がはっきりしなかったのは、ミルクチョコレートを含めて分析していたからかもしれません。またダークチョコレートと異なり、ミルクチョコレートをよく食べる人では体重が増加していました。
食べるならダークチョコレートが良いようです。
令和6年12月7日