マティーニを、ステアせずにシェィクで
ジェームズ・ボンド007は問題飲酒家でした。
小説に出てくる飲酒量はもの凄く(最大1日50単位=ウォッカ・マティーニ17杯相当、ワインならボトル4.5本相当)、有名な「ステアせずにシェイクで」というセリフは、アルコール性神経障害による手の震えがもとになっているとささやかれています(Brit J Med 2013)。今回、ボンド映画でも飲酒量が推定されましたので、紹介します(Med J Austral 2018)。
検索対象は1962年-2015年に公開された全24フィルムです。60年超に渡り109回の飲酒イベントがあり、血中アルコール濃度のピーク値は0.36g/dlと推定されます。このアルコール濃度は、人によっては死をもたらす値です。映画ではこれだけ飲んだ後に危険な行動を行っています。危ないですね。
時代が下るに従って、アルコールそのものを武器として使うことが減り、アルコール関連商品が周囲に増えています(統計学的に有意だそうです)。ボンドのマティーニ嗜好は時代を通じて変わりません。
論文では、ボンドは重度のアルコール性障害にかかっており、アルコール障害専門医にかかるべきであり、上司からの対応も必要と結んでいます。
平成31年1月11日