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HbA1cの表記法の変更

平成24年4月1日からHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の表記法が変わります。これまでより0.4%ほど高く表現されますので、コントロールが悪くなったと勘違いしないようにして下さい。また健診の場面では、新しい表記法は1年先まで使われません。どうぞ、混乱のないようにしてください。

HbA1c検査には世界的にみて3つの標準化システムがあります。日本(JDS)、北欧(MonoS)、米国(NGSPの3つです。すべてHPLC(高速液体クロマトグラフ)法を基準に定められています。測定精度はMono-S、JDSが高く、NGSPはやや低くなります。実はNGSPで測定されるHbA1cの1/3は真のHbA1cではありません。

国際臨床化学連合(IFCC)は、これら3つのHbA1c標準化システムを検討しました。そして、これら3つを繋ぐものとしてIFCC-HbA1cを提案しました。IFCC-HbA1cはこれまでのHbA1cより厳密な検査です。単位も%でなく、mmol/molを薦めています。これまでのHbA1cとIFCC-HbA1cとは下に示す関係があります。

IFCC-HbA1c(mmol/mol)をXとしますと、
NGSP (%) = 0.0915X + 2.15
JDS (%)  = 0.0927X + 1.73
MonoS(%) = 0.0989X + 0.88  
HbA1c(NGSP) 6.5%は、HbA1c(JDS)6.1%、IFCC-HbA1c48mmol/molになります。


この合意(2007年)を受けて、米国を除く欧米ではIFCC―HbA1c(mmol/mol)に変わりつつあります。数年間の併記期間を経て、今やmmol/molの単位でしか結果を返さない国もあります。

今回の我が国の変更もmmol/mol単位が良かった気がします。値が一桁違うので、すぐに変更に気がつくからです。


平成24年3月26日